アンサンブル・フリーとは?
【アンサンブル・フリー】とは、関東「EAST」と関西「WEST」を拠点に演奏活動をするオーケストラ団体である。
公式サイト:https://ensemblefree.jp/
今回はEASTとWEST両団体の指揮者浅野亮介さん、アンサンブルフリーEASTの事務局長・石井宏宗さん、広報隊長・香取史菜さんにお話を伺いました。
どんなところが自由なの?関東と関西で活動の違いは?楽団の雰囲気は?オーケストラのあれこれをインタビュー!
アンサンブル・フリー設立の経緯を教えてください。
EASTとWEST、それぞれの特徴は?
特徴といえば、 関東はレベルの高いオーケストラが沢山あり、演奏家の人数も多いです。音楽に限らず芸術面で様々な刺激的なイベントが行われているので、EASTでは新しいものに対してすごく敏感に反応できる人が多い印象です。対して、関西では京都・奈良があるように昔からの古い伝統というものがあって、日本の文化を大事にするという面では圧倒的に関西の方が重要視されていると思います。 そのため、WESTは保守的で伝統を大切にする方が多いような印象を受けます。
地域の特徴から、EASTでは新しい作曲家や新曲を取り入れていますが、WESTは新曲よりも、古くから大切にされている名曲を取り入れるようにしていますね。
なので、EASTとWESTでプログラムも大きく異なります。お客さんも、同じ日本人なのかと思ってしまうくらい求めるものが違う(笑)。
EASTとWEST、それぞれ練習の雰囲気に違いはある?
EASTとWESTで練習の雰囲気は全然違います。
EASTでは全員バトルロワイヤル状態になります(笑)
EASTは、僕を含めて全員が平等なので、皆で意見を出し合って、試行錯誤を繰り返しながら練習を進めていくんです。
だからバトルロワイヤルに発展するんですよね….(笑)
対して、関西のWESTは僕(指揮者)の発言や意見で物事を決めていくことが多いかなと。
実は、WESTの方が先に設立されたのですが、設立した当初はやはり誰かがまとめなければいけなかったので、初めに色々動いていた分、指揮者の僕に従おうという傾向がWESTの方は強いんです。
WESTの方々は関西人というのもあって、自己主張が激しい戦闘民族みたいな方が多いように感じるのですが(笑)、そこを浅野さんが上手くバランスをとって練習を進めている感じですね。
EASTは人間の集まりで、WESTは獣の集まりのような感じだよね(笑)
確かにWESTは本能的な方が多いような…(笑) 過去に一度、EASTとWESTで合同演奏会があったのですが、WESTの方々はなんだろう….過激な印象がありましたね(笑)良い意味で、沢山刺激を頂きました。
あと、個人的に、WESTでの浅野さんはいつもキレてる人、怒っている人っていうイメージ…(笑)
以前の合同演奏会では、感慨深いと同時に面白い一面も見ることができましたね。歴史が長くて巨大なWESTに、新興のEASTが「親交を深めつつ、いざ勝負!」みたいなテンションがあって、すごく楽しかったです。
言葉で伝えても通じない事があるから、気迫でいくしかない(笑)
EASTとWESTで必然的に僕の体温も変わってきますね。
あと…やっぱりオーケストラって沢山の人が集まって協調してやるものじゃないですか。皆オーケストラが好きで、音楽が好きでやりたいんだけれども、中にはどうしても周りと馴染めない人達がいるんです。それは協調性がないとかそういう事ではなく、その人の性格、性(さが)だと思うんですね。どうしても自分を曲げられない人もいれば、本能で動いてしまう人もいるし…普通のオケに入ったら多分馴染めない人もここでは受け入れるような雰囲気があるように感じています。そんな所も含め、僕はEASTもWESTも、両方愛してます。
アンサンブルフリーの面白いところは?
とりあえず本番で指揮者(浅野さん)を見てはいけない…(笑)本番で振り方が全く変わるのと、下手をすると指揮を全く振らないとかがあるので!(笑)
ただ、EASTで現代音楽をやるようになってからは、流石にそれでは曲が通らなくなってしまうので、最近は見るようにしてます!(笑)
ここでもEASTとWESTで全然違うんです。WESTの方は指揮を振らなくても曲が通るんですよ。どんなに変拍子でも、僕が何をしても通る。
逆にEASTは通らない。EASTではちゃんと指揮を見る癖がついているから、指揮を振らなくなると音楽が止まっちゃう(笑)
一般的なアマチュアオーケストラって、外部から呼んできたプロの指揮者がある程度答えを出してくれて、それに沿って練習をすすめていくじゃないですか。参考書を前で開いて問題を解いているみたいな。ただ、この団体は浅野さん含めて、いい意味で音楽について体系的にまなんでいるわけではないので…皆が対等な立場なんですね。 皆で話し合って決める。だから普段から参考書を見ながら勉強している人がここにくると、面食らう人が多いと思う。
アンサンブルフリーでは誰も答えは持ってないから、自分たちで答えを出していくしかない。それが面白いと思う人は残るし、それが合わないという人は去っていくんじゃないかな。自分でやりたい事を持っているプレイヤーは、EASTで自分の答えを音楽に乗せることができます。あとは指揮者(僕)がそれをうまく調節していくので。
長年にわたって活動を継続する秘訣は?
秘訣か…なんだろうな、難しく考えない事じゃないですかね。
そうですね。
変に構えすぎないというか、肩に力が入りすぎないようにするというか…。
皆が同じ方向を向いて、ちょっとしんどいけどやろう、みたいな人はいないです。団や組織、社会っていうことをあまり考えない。 団員っていう概念がそもそもないし….(笑) 偶然その場のタイミングが合った人たちが集まっているだけなんです。
「この演奏会出たい人この指止まれー」みたいな感じですね(笑)
そんな感じで、楽しくやっています。
アンサンブルフリーの魅力は?
私は、自由にできるというところが一番気に入っています。指揮者や先生から「ああしなさい、こうしなさい」とか極端にそういうのはないので….団全体が自由な雰囲気であることが魅力だと思います。
確かに、そうですね。好きにやっていい、自由です。たまに他のアマチュアオケとかに乗ったりすると、やはり窮屈な感じがして、また(アンサンブルフリーに)戻ってきちゃいますね。
自由に生きないとしんどいじゃないですか。 自分が縛られるのが嫌なので。人を縛るのも嫌だし…。 アンサンブルフリーの「フリー」は、元々僕自身が自由にやりたいという意味で名前をつけたんです。でも最近は皆の方が自由になってきてる(笑)
浅野さん自身が自由な人柄だからこそ、自分たちも自由に、好きなようにできているんです。
入団方法や団費、普段の練習場所は?
入団方法ってそもそもあるの?(笑)
大体は紹介で、参加して…みたいな。足りないパートを団員が探して集める感じですかね。オーディションはありません。
(僕は元々WESTの方に乗っていたことがあるのですが)昔、WESTの方では1回乗ってダメな奴はもう声かけない、みたいな風潮ありましたよね(笑)
怖い….プロオケみたいな(笑)
それはね….(笑)さっきも言ったように、WESTは話しても通じない時があるから、ある種の脅しが必要だったりするの(笑)それぐらい言った方が、ちゃんとやってきてくれるから。(笑いながら)
EASTの練習場所は、都内の抽選で当たった場所で練習しています。練習頻度は隔週一回、大体4時間くらいです。会費は演奏会ごとに大人が約25,000円 、学生は半額です。振込などで会費を集めています。
WESTは僕が賃貸契約したホールで練習しています。なので、毎回練習場所は固定です。僕が借りているホールなので、場所や楽器倉庫、備品等が自由に使えます。
団員の年齢層は?
EASTは30代、40代が多いかな。WESTは、一番若くて18歳の子がいます。若いので、やる気もパワーもあって頼もしいですね。
今後の活動は?
正直今はコロナで思うようにいかないところが色々ありますが…今後はネット配信などを使ってアンサンブルフリーの存在を広めていきたいです。団員にも自主的に宣伝してもらって、色々と戦略を練っています。
最終的には、お客様に演奏を聞いてもらいたいというのが一番にあるので、コロナが明けたらまた積極的に活動を広めていこうと思っています。
コロナが収束したら演奏旅行したいな(笑)地方ではまだ演奏会をやったことがないので、今後は地方でも演奏会をやっていきたいなと思いますね。
次回は、アンサンブル・フリーEAST団員さんにインタビュー!お楽しみに!
アンサンブル・フリーYouTubeチャンネルも是非ご覧ください!
https://www.youtube.com/c/EnsembleFreeWE
大学を卒業後、自分でオーケストラをやりたいと思って知り合いに声をかけて作りました。(大学のオケに所属して思ったのですが)学生オケって自分の自由にならないし、曲も皆で選ぶ感じじゃないですか。僕の好きな曲を皆選んでくれないので…(笑)あと大体がドヴォルザークとかブラームス、チャイコフスキーの曲ばっかりローテーションしてて、プログラム的にも飽きますよね。中々演奏されないけれど、素敵な曲って世の中に沢山あるので、色んなジャンルの曲を自分の手でやってみたかったのが1番の理由です。